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2010年1月20日 (水)

馳星周を読む。

 生誕祭というハードカバーの上下巻2冊が、近所の古本屋で250円という激安!

 馳星周(はせせいしゅう)、日本人です。不夜城で小説デビュー、即映画化しました。主人公は金城武。

 なんとなく映画館でこの映画を見たときの衝撃は忘れられません。ぼんやり見ていると、Vシネマか?みたいな感じなんでしょうけど、全然違います。

 映画を見た後に小説を読むと、2度おいしいと思います。逆はお勧めしません。ジェームス エルロイのLAコンフィデンシャルなんかと同じですね。この映画は確か、アカデミー賞の脚本賞をとった記憶があります。不夜城も、同じ香りがする映画だと個人的に思っております。

 元の小説が込み入りすぎて、映画はその中から、エッセンスを抽出して見せてくれます。

 馳さんはエルロイの熱狂的なファンで、日本のエルロイになろうとしたらしいのですが、今では馳星周という独自のものになっています。エルロイは、アメリカンタブロイド辺りから読むのが少し億劫になってきました。

 理由は簡単で、アメリカ人のエトスを共有できないに尽きます。日本人だから。それでも、おもしろいことには変わりありません。

 嬉いことに日本人のエトスを満足させてくれる馳星周がいるではないですか。今回買った生誕祭という本は、バブル絶頂時代にマハラジャの黒服から地上げ屋の道へ進んだ若い主人公が金、薬、女にまみれながら疾走するお話。

 道徳という垣根の向こう側は案外向こう側ではなくて、真後ろだったりする訳ですよ。そこの感覚が分からない方にはお勧めできませんが。

 酒を飲んだ主人公がつぶやくんです。「ひりひりしてたいんだ。薬もあきたし、金にも興味があんまりない」地上げという行為じたいの魔力に取りつかれはじめる主人公。

 と、まぁここまでしか読んでいませんが、単なる色と欲と暴力小説と思っていると大間違い。今の日本人のエトスをここまで書ききる人は他に知りません。

 絶対、お勧め!ではありません。取り扱い注意!

 サリュ

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