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2012年2月24日 (金)

身体性の喪失と、ネットによる意識の拡張、その先に新しい幸せの形が果たしてあるのかな?ない気がするな。

 宇佐美陽一先生著「身体造形思考ノート」を読み進めています。

 音楽に全く詳しくないもので、丁寧な注釈がありがたいです。

 オイリュトミーのワークショップを重ねられる中で、子供達の身体造形力が弱っているのではというくだりで納得しました。

 去年とある公園で、町内のお祭りが行われている中で、子供達の9割が携帯ゲームで輪になって対戦だかなんだかしている。ゾッとする光景です。公園なのに、身体性を伴わない、まさに通信ゲームという意識の拡張のみの遊びをしている。いい傾向ではないと思います。「身体造形力」が未発達のまま、脳内の意識が拡張していく。これだけ子供にゲームを買い与えて、将来どういう日本になっていくのか、日本全土をあげて壮大な実験をしているとしか思えません。30年後の日本を思うと。

 ファミコン世代なので、バカみたいにゲームをしていた時期もあり、批判ばかりもできません。今だって一日の大半はパソコンの前に座って仕事をしています。

 ネット環境が整い、個人の意識は世界中のネットワークと即繋がり、超便利になっています。ちょうど脳のシナプスが具現化したような世界です。

 ふと思う事があります。この先にある幸せってなんだろう。

 昔押井守監督のゴーストインザシェルを見た時、主人公の草薙素子が身体を捨て去って、完全にネットワークと同一化した時、衝撃を受けました。まだインターネットが普及し始めたばかりの頃。

 この間改めて見たとき、もう半分そうなっているじゃんと、別段何も思わない自分がいてそれに驚きました。

 宮崎駿監督の崖の上のポニョを見た時、真逆の表現でこれまた驚き。肉体と感情のエモーションを爆発させるポニョを見て、「世代」というものを如実に感じました。宮崎監督の子供のころ自然の中で駆け回ったり、色んな人との付き合いが濃厚だった感覚がこの映画には凝縮されている。そうすけ一家は核家族ですが、背後にはきちんとした人間関係が見てとれます。反面、スカイクロラやゴーストインザシェルの主要人物は、断ち切れた人間関係のみが浮き上がってくる構造になっている。

 「ポニョ、そうすけ好き」

 というセリフに、贅肉がそぎ落とされたエモーションがあります。だからこそ、ポニョを見た甥っ子たちがなんどもそのセリフを叫んでいました。子供はそういう気持ちいいエモーションには素直に反応します。

 押井守監督のスカイクロラでは、ほとんどエモーション的表現をそいでしまっている。そのくせ静止画のときには一枚絵ではなく、1秒に12枚だか何だか、動いているときと同じセル数で表現するものだから、微妙に静止しなくて映像に酔う。

 両監督の身体性への感覚が真逆で、世間に広く受け入れらているのは宮崎監督の方ですよね。

 でも実際現実は、圧倒的に押井監督が表現した世界に急速に近づきつつあります。SNSの登場でさらに加速しました。ネット上に別の自分というパーソナリティーが出現し、仮に今日死んでもそのパーソナリティーは半永久的にネット上にありつづける…

 宇佐美先生の本は、こういう極端な世界を、オイリュトミーを実験、実践して行く中で少しづつ読み解いていきます。あらゆる方向から思索を重ね、人にとっての身体性の意味を問うていく、まさに今必要とされる思考だと思います。

 まだ50P位しか読めていませんが、皆さまにもご一読を是非お勧め致します。

 長崎書店と一部TUTAYAにて販売中です。

 「身体造形思考ノート」

 サリュ

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