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2012年12月 9日 (日)

五美人図について。

 今年、一番影響を受けたのが熊本市の「チャレンジ協働事業」の創造都市を考えるの、プレゼン参加への下準備でした。

 熊本城下町大遊戯2012も、自分への影響という面から見れば大きいのですが、この創造都市を考えるという、思索としては過去最大規模の挑戦はとても意義がある事でした。
 先ず、日本がこれまでどういう発展をしてきたか、そこから調べ始めました。
 絵画作品を制作するのに、これまでは個人目線で斬り込む事をやってきたのですが、この事業のプレゼンをする事によって、自分がどういう日本の状況に置かれているかを、非常にクリアに考える事ができるようになりました。
 東日本大震災後で、さらに新たなフェーズに日本が入っていくときに熊本市は、どうしたら魅力的な都市として過ごして行く事ができるのだろうかと考えました。
 現在のわが国は、次々に新たな問題が浮き出ては置き去りにされ、決断すべきフェーズで誰も動かないという事を繰り返しています。
 それに対してアーティストとしてお前に何ができるのかと、20歳のころからずっと考えていて、結局大きい事は何もできないという無力感をそのまま絵にしてきたのです。
 どうしようもない現実というものがあります。
 アーティストとしての才能、プレゼン能力、ディベート能力、企画力。そういったものを持っていない事を、昔から痛烈に思い知っています。
 その時にどうするのか。
 何もかもを諦めて、自分の殻に閉じこもり、趣味的な作品を制作していくのも一つの手かもしれません。
 クオリティーを断念して、仲間と楽しくやっていくというのも(クオリティーを論じあうと必ず衝突しますが、熊本の現状を見渡して他人の作品のクオリティーに踏み込んでいるのはアートスイッチだけですそれでもゆるいですが)、楽でいいです。
 簡単に言って、自分にとって最高クオリティーの作品を制作する為には、日本の歴史、経済、アートのコンテキスト、ポップカルチャーのコンテキスト、世界の情勢、様々なものを意味も分からぬまま急ピッチで呑みこみ続ける事が必須です。
 この中でも一番軽視しているのはアートのコンテキストで、こればかりはどんなに呑みこんでもあまり意味がない気がしています。
 絵描きたい絵は常に明確にあるので、これがこうきて、次は、だからこうですという流れを知っても役にたたない。
 何を話しているのかというと、絵描きたい作品のテーマ、モチーフ(すでにこういうものが死んでいるのがアートの世界。アートテクストのリテラシーが今は一番重要というのは身にしみて知っているが、結局淘汰されます、それは。歴史に残るのはリテラシーという答えではなくて、問いなのはデュシャンがいきなり証明して、燦然と輝き続けている事実からも分かる)が激変したという事です。
 自分が世界に対して突き付ける事ができる問いとは何だ。
 今年はその事を明確に考える事ができるようになった年でした。
 今回制作している五美人図は、その足がかりになります。
 サリュ
 
 
 

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