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2013年6月11日 (火)

のどに刺さった小骨が取れたような感じです。

 アートや美術という価値体系を、経済的に成功したかどうかで判断する傾向があることについて、違和感があったのです。

 「売れてから言えよ」
 
 という台詞にぐぬぬとなりながらも、明確に反論できないでいました。自分が売れていない美術家ですからね。
 
 駆け出しとか、売れそうにも無い美術家が、なかなか反論できない、強力な呪いのような言葉ではないでしょうか。
 
 なによりも、日本を代表するアーティストの村上隆がこの呪いを吐き続けています。
 
 西欧ART界で通用する文脈で勝負しろ(コンテキスト)と。
 
 確かにARTは16世紀の西欧で、王侯貴族階級への提供という形から発展を始めました。
 ARTは確かにそうなんですが、人類が絵を描くという行為の最初の痕跡は3万2千年前に遡ります。
 
 だから、絵を描く行為は人間の本能なんだし、素晴しい行為だから経済的な成功は二の次なんだよなどと言うつもりは毛頭ありません。
 
 アートを人生を左右する価値判断の基準に据えるとします。
 
 大抵、普通はアートなどではなく、経済になるはずです。人並みの人生とか、普通の生活(就職、結婚、子供、郊外の一軒家、定年、第二の趣味的な人生、孫の顔等)は全て経済の基盤を安定させることが大前提です。
 
 つまり、普通、人生の価値基準の大半が「経済」になる。
 
 アーティストがこれを基準に置くと、どうにもならない。
 
 アートを宗教に置き換えると分かりやすいですね。
 
 宗教で重要なのは、現世利益なのでしょうか。現世利益の宗教てうさんくさくないですか。宗教の価値で重要なのは、人生をよりよくするための判断基準を宗教という価値体系が定まった外部に置くことで、人生を安定させることではないでしょうか。
 
 決して経済的な見返りではないはずです。
 
 宗教を使ってガンガン稼ぐ、ことも悪いとは思いませんが、それってどうなの?と思う。
 
 アートは宗教のように、決まった価値体系が確固としてあるものではないです。むしろ既成の概念を疑って脱構築していく、常に新しい概念を追っていくものです。
 
 そこに資本主義経済という価値体系を組み込んで、日本に新しいアートの姿を見せているのが村上隆というアーティストの本質ではないのでしょうか。
 
 だから、アートと資本主義という価値体系の組み合わせで、資本主義的に勝者に立たない限りこの新しいアートムーヴメントには乗れません。
 
 フォロワーが出ないという点でも、この組み合わせが非常に難しく、「特異点」そう、「点」になってしまっている。
 
 これはアーティストとしては、これ以上にないほど素晴しいことです。
 
 アートとしての価値体系から見れば、新しい価値を日本で作り上げたアーティストとして収斂していくのだと思います。
 
 「売れてから言え」
 
 に、アート側から初めて真摯に答えたアーティスト。
 
 アートや資本主義を考えたときには外せないアーティストなので書いてみましたが、書きたいことはそこではありません。
 
 アートが人生の価値判断の基準になるのがアーティストなら、もっとアートに信心するべきということ。
 
 資本主義に負けない、追求していくべきものとして。
 
 狂信する。
 
 狂わないとね、資本主義に飲み込まれますよ。
 
 もちろん、経済活動は生きていく上で外せません。
 
 でも、肝心なことを判断するときの価値体系はアートに置きたい。
 経済みたいに勝った、負けたの論理に収まるものではないはず。
 
 両者を組み合わせて、作品として提示するという離れ技は、自分にはできそうもありません。
 
 だからせめて、自分なりの美を追求するしかないのだな。
 
 売れる、売れないへのアート側からの返答はカイカイキキが提示してくれているから、安心して自分のアートを追及できます。
 
 アート側から、資本主義への返答とかも、実はアートとしてはどうでもいいことで。
 
 アート自体が価値なのですから。
 
 これがアート原理主義というものです。
 
 サリュ
 

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