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2014年7月23日 (水)

夢と狂気の国 スタジオ ジブリ ドキュメント鑑賞。

 このドキュメントで貴重だなと思ったのは、宮崎、高畑両監督と鈴木プロデュサーの40代の映像が見れることです。

 あとは、いつものドキュメントが高画質になった感じです。
 
 宮崎監督の面白さというのは、人間なら誰にでもある矛盾を追及してはいるんでしょうが、それを作品に出さないことかなと思いました。
 
 普通の作家なら、自己矛盾について悩む過程や、それに答えを出すこと自体を物語の筋にすることが多いと思います。悩む過程自体が、作家の表現欲のコアになっていることも多々あります。
 
 TV版のエヴァとかね。新しい劇場作品は違いますね、悩む主人公という「型」を選んでひたすら映像が持つエモーションとカタルシスだけを追求してるようにしか見えません。これは非常に現代アートの手法に似てる。
 
 何も考えなくても見ていられるし、そういう風に多分作っている。庵野監督には多分もう何も言いたいことがないに違いない。
 
 それでもエヴァという文脈だけでやってるって、そういうのも本当に凄いです。エヴァ以外に何か撮って欲しいってもはや思わないものな。
 
 歌舞伎だよもう。
 
 さて宮崎監督の凄みとは、劇中の登場人物たちは自分の行動に一瞬も迷わない。自己矛盾に悩まない。行動に対する結果を全て受け止めている。
 
 これは、自己矛盾について悩まないからじゃないと思います、むしろ逆で。悩みが深すぎるので、映画の登場人物に付託すると映画にならなくなるんじゃないか。
 
 もののけ姫のアシタカに若干悩みが見受けられたかな?という程度ですが、アシタカも審判役なのでやはり演出上迷わない。「曇りなき眼で見る」矛盾に引き裂かれた言葉。ありもしない立場を決めてその中で生きようと決めた男。現代人の理想ですね。
 
 風立ちぬで、堀越青年は、今度こそ悩むのかと思いきや、やはり悩みはそぶりも見せず行動する。この役は、アシタカの立ち位置ながら、もう一歩踏み込んでいる。凄いですよ、これは。
 
 すでにその姿勢は空恐ろしかった。
 
 覚悟の問題なんです。
 
 悩んでもいるし、傷ついてもいる。でもそれを表出する事が人生の本筋ではない。やるべき事を決め、やりきる。
 
 そして「生きねば」
 
 この宣言、感動的というより、脅迫にすら聞こえますよ、もはや。
 
 
 怖いドキュメンタリーです。
 
 自分も、一生の間にあそこまで覚悟を高められたらいいなと思いました。
 
 サリュ
 

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