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2016年2月19日 (金)

【有徴あるいは無徴Vol.3】山海塾所属の石井則仁さんのダンス公演を終えて。

 昨日、山海塾所属の石井則仁さんのダンス公演を終えました。

 音楽即興、林竜馬さん。

 これは実際、熊本のオルタナティブアートスペースの歴史に残る「一戦」だったのではないかと思います。

 石井さんとは、2年前に、熊本市現代美術館で、アール・ブリュット・ジャポネ展のときにホームギャラリーでのダンス公演で一緒に企画しました。詳しくはコレ→

 このときは、熊本市現美とのコラボレーションと、5日間かけて一般の方とワークショップを行い、その方々がダンス公演を行うというものでした。

 公演の形としては、今回のものより企画としてのハードルが高いものがありました。無料公演ということもあり、公演場所も熊本市現美のホームギャラリーということで、ある面では質がある程度担保された企画でもありました。観客も50人位でした。これはNPOアートスイッチの資金面からのサポートもあり、ある意味では公的な企画でした。

 このときは、石井さんは完全にサポートに回られましたので、本来のいちダンサーとしての表現は未知数のままでした。

 2年を経て、いよいよ、抜き身のダンス企画です。

 しかも即興のガチ企画。

 無料ではなく、お金を頂く、本当の意味で色々試されるもの。しかも、熊本でのコンテンポラリーダンスのアウェー感が半端ありません。

 先ず、公演できる場所を探すも、集客が未知数なのでキャパが分からない。

 どの規模ならペイするかという、インディペンデントならではの探りから入りました。

 結局、自分が運営する場所で試験的にやるのがベストと思い、公演場所はモヒカンポシェットに決めました。ペイラインは20人。

 50分のダンスのインプロビゼーションで、2,000円20人は、熊本では意味不明とすら言えるハードルの高さですよ。終わったから言えるが。

 蓋を開けたら、20人定員、行きました!これは予定調和でもなんでもなく、知り合いは5人程度で、あとは何かでフックして着て頂いた方。本当に素晴らしいです。

 いつも思うのは、ペイラインのお金を頂かないと、本質が見えないということです。

 それはいいとして、今回の公演は内容が異様に素晴らしかった!

 何でこれを見にこないかな?!

 という位でした。

 石井さんとしても、恐らく初めての熊本での公演で、どうにかお客様にフックしたい。でも、目の前の音楽家、林さんにも負けられないという、インプロ独特の状況が、異様な緊張感を生むことになりました。

 最初の見所は、始まってすぐ訪れました。

 前日石井さんから、「先ず殺しに行く」

 という話を聞いていて。

 その意味は、よく分かりました。以前同じような企画を東京で見たことがありました。そのときは、音楽家と石井さんが、お互いに殺しにきていて、最後まで殺伐として終わったからです。

 この企画は、お互いの人生観までぶつけるやつなんです。うまくかみ合えば。

 でも、石井さん曰く中々そうもならないらしい。自分のペースを延々守るミュージシャンがほとんどで、インプロが偽装なことが多い。

 今回は、林さんの対応が面白かったです。

 林さんはどうやら空手をやっている人らしく、個対個のやりかたを心得ていたように見えます。そのへんが、その辺のヘナチョコの音楽家と違う側面でしょうか。

 開始3分位で、石井さんが早速林さんを殺しにかかりました。

 そのときの林さんの表情は、ゴールデングローブ賞の主演男優賞位素晴らしかったね。そういう賞があるか知らんが。

 「ヤル気だな、俺と」

 そういうライブってないでしょう、恐らく。

 よく分からないですが、用意していた楽器諸々を整理し始める様子。

 若干どころではなく、表情が厳しい。

 来た!

 潰しあい!

 と思いきや、何か今から生まれるかもしれないことを探りあうような時間が訪れます。不思議な平穏。

 これは、後から思うに林さんの人柄に、石井さんが感応したのかもしれない。

 東京公演での譲らない殺し合いを見ているから、なおさらそう思います。

 殺しの来られた林さんの対応が、必死で「お互いに生きる」道はないかという、音の探り。

 こういう瞬間がたまらないよねー!!

 その探りに全身で答える石井さん。さらに高次元の音を要求する。

 ここまでかみ合う二人とは思わなかったら、どこまで突き抜けるのか!

 と思いながら見た公演。

 これ、見逃した人は、損したね!本当に!としか言いようがありません。

 やっぱり、お金を通すと、どんなに仲が良くても知り合いでも、来てくれません。

 今回は本当にフィーを払って来て頂きました。

 素晴らしい体験ができたと自負しております。

 次回の企画は未知数です。

 サリュ

 

 

 

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